お手軽な投げ銭サービスはないか?
YouTube にはスーパーチャットという投げ銭をしたり受け取ったりするしくみがあります。クリエイティブな活動をする人は pixivFANBOX を使ってサポーターからの支援が受けられます。私もときどき、ちょっとした作品をつくることがあって、こういう支援を受けるしくみに興味がありました。
ただ、私はYouTuberではないのでスーパーチャットなど使えないし、pixivFANBOX はサブスク制なので、かなり気合の入ったサポーターでないと支援してはもらえないでしょう。それに、これらのサービスを通じて誰かを支援する場合、支援者はアカウントを作ってサービスにログインしなければなりません。これは、支援する側の立場になると、ちょっと敷居が高かったりします。
もっとお手軽に、ボタンをポチっと押すだけで少額の支援が頂けるしくみがないものか、と探していたところ、Buy Me a Coffee というサービスを見つけました。
海外のサービスなので、日本円による支援を受け付けることはできないのですが、1米ドルくらいの少額から支援金を受け取れるようです。私の場合は、海外にも作品を公開したいと思っているので、米ドルでの支援はむしろ好都合です。
なによりも、支援をする側は、投げ銭機能であれば、サービスにログインすることなく支援金を支払うことができるようなのです。
そこで、Buy Me a Coffee のアカウントを実際に作ってみました。
このウェブサイトにも Buy Me a Coffee のページへのウィジェットを貼ってみました。右下のカップのアイコンを押し、いちばん下の URL を押すと BMC のページに行けます。自由に見て行ってください。クレジットカード情報などを入力しない限り、お金を取られる心配はありません。もちろん、コーヒーをおごって下さる、ということであれば、有難く頂戴いたします。
アカウントを作る
まず、このリンクから Buy Me a Coffee のウェブサイトに行きます。ウェブページの中ほどに黄色い Start my page というボタンがあるので押すと Sign up のページに移動します。ボタンの横に yourname と書いてあるのですが、ここでは何も入力する必要はありません。
この Sign up のページは上半分がメールアドレスとパスワードによる認証、下半分がSNSアカウントによる認証となっています。使えるSNSアカウントは、Google、Facebook、Apple、Twitter(この記事を書いている時点では X とはなっていなかった)の4つのようです。
私は Twitterアカウントを持ってはいるのですが、X(Twitter)が今後どうなるのかはっきりしないため、メールアドレスによる認証を選びました。
メールアドレスとパスワードを入力し、黄色い Continue with email というボタンを押すと、認証番号を入力する枠が現れます。指定したメールアドレスに認証番号が送られてくるので、それをこの枠に入力します。認証番号がうまく届かなかった場合には、メールアドレスなどを確認したうえで、枠の右側の Resend を押すのだと思われます。
認証が成功すると Complete your page というページに移動します。ここでは、プロフィール画像や名前などを設定します。どの項目も後で変更ができるので、ここで迷う必要はありません。
Buy Me a Coffee でアカウントを作ると自分専用の個人ページを作ることができるのですが、Buy Me a Coffee link の部分で入力したリンク名がその個人ページのURLになります。自分が創作活動を行っているときに使っている名前を連想しやすいリンク名にするのがよいでしょう。
Social links という項目にはURLを登録できて、個人ページの About の欄の下の部分にアイコンが表示されます。自分の作品のウェブページなどを登録するためのもののようです。ひとつだけではなく、個人ページを設定するところから後で複数登録することができます。
ここでやっていることは、Twitter のプロフィールページを作るようなことと同じ、と思ってください。
必要項目を入力して、下の黄色い Continue ボタンを押すと How would you like to get paid? というページに移動するので、一番上の欄で受け取りたい通貨を選びます。この記事を書いている時点では、米ドル、オーストラリアドル、カナダドル、ユーロ、英ポンド、ニュージーランドドルを選ぶことができました。これも後で選択を変えることができます。
通貨の欄の下では、送金方法として Standard payout と Instant payout via Stripe という2つの選択肢が示されます。私はとりあえず Standard payout を選びました。Stripe との連携はアカウントを作った後でも行えます。
How would you like to get paid? のページの下の黄色い Continue ボタンを押すと、いかにもまだ作りかけ、という感じの個人ページが表示されます。ここで自分の作品などをアピールすることになるわけです。このページのURLが先程の Buy Me a Coffee link になっています。
個人ページに表示する名前や、アピールのための文章などは日本語で書くことができます。また、この個人ページは Twitter のプロフィールページのように、自分の投稿などを表示させるしくみになっているようです。あとは頑張ってこのページを魅力的なものにして、投げ銭をしていただくことになります。
この個人ページの右上にアイコンと三本線のついたボタンがあるのですが、ここからダッシュボードやアカウント情報の設定に行くことができます。ダッシュボードでは獲得した支援金の額などを確認できます。支援金の受け取り方法や個人ページのリンク名なども、ダッシュボードのページの左側にあるメニューから設定できます。
支援金のやり取りについて
Buy Me a Coffee にアカウントを作る前に、いろいろとネットで検索して、支援金のやり取りについて調べてみました。しかし、書いてある内容がウェブページによって違っていて、よく分からない部分がありました。
今回、自分でアカウントを作ってみて分かったことをまとめておきます。まだ、自分でも使い込んでいるわけではないので、あくまで2023年10月時点での第一印象の情報、ということを了承して読んでください。
まず、支援する側の人から見てですが、サービスにログインせずに投げ銭ができる、というのは本当です。ログアウトした状態で自分の個人ページから Support のボタンを押すと、そのまま支払いのページに移動します。
ここでは、まずメールアドレスの入力を求められます。これは支援者に対する感謝のメッセージを自動的に返信するために使われるようです。このメールアドレスはクリエーターの側から見ることができ、支援者を識別するために使われるほか、クリエーターから支援者に連絡を取ることもできます。
メールアドレスの入力の次に、クレジットカードで支払うのか、Link で支払うのか、という選択肢が現れます。この Link というサービスについては私はよく知りません。クレジットカード番号がクリエーターの側に伝わる、ということはありません。この記事を書いている時点では PayPal は使えないように見受けられます。
次に、クリエーターとして支援金を受け取る方法について。
どうやら、Buy Me a Coffee ではサービス全体で金銭の授受については Stripe を使っているようです。先程の支援者が投げ銭をする場面でも、窓口が Stripe だ、という表示が出ます。このため、既に Stripe のアカウントを持っている人の支援金の受け取りは簡単なようです。アカウントを作るときに Instant payout via Stripe を選ぶだけでよいと思われます。
ただ、Stripe はネットでの商取引などで使われるサービスで、個人でもアカウントが作れるとはいえ、敷居が高いものになっています。私のように、ちょっと趣味で作った作品を展示する、というのには大仰すぎます。
そこで、作品を本格的に販売するような目的ではない人は Standard payout を選ぶことになります。Stripe による即時支払いとの違いは、引き出せる最低金額が20米ドルで送金に時間がかかる(1週間程度?)ということのようです。最低金額が設定されているのは、恐らく、送金の手数料が即時支払いよりも高いためなのでしょう。
実際にダッシュボードから Payouts のところに行って Withdraw ボタンを押してみると、Direct Bank Deposit と Bank Deposit via Payoneer を選ぶことができます。
Bank Deposit via Payoneer を選ぶと、Setup Payoneer というボタンが現れて Payoneer アカウントとの連携を促されます。普段から Payoneer をよく使っている人はこちらの方が便利でしょう。
しかし、もし Payoneer アカウントを新規で作るということであれば、Payoneer は1年間に1回程度以上アカウントを使わないとアカウントの維持費を取られる点に注意が必要です。この点についてはネット上の情報が混乱していて、1年間にアカウントを1回でも使えば無料、という記事もあれば、かなり高額の取引(30万円程度?)をしないと無料にならない、という記事もありました。
Direct Bank Deposit を選ぶと Setup Bank Deposit に進むことができるのですが、ここでも Stripe が窓口となっているようで、Stripe の日本語のページに移動します。まだ支援金を一銭も獲得していない状態でさらに先に進むと怒られるのではないか、と思ったのですが、試しに銀行口座の設定をしてみました。
まず、メールアドレスの入力を求められます。私の場合は Buy Me a Coffee のアカウントをメールアドレスで登録したのでそれが既に表示されていました。メールアドレスを送信すると、次に電話番号の入力を求められます。ここにSMSで認証番号が送られるので、それを入力します。
認証に成功すると、お客様のビジネスについて教えてください、という画面が現れます。この画面では、国と事業形態を選びます。国として日本を選ぶと、事業形態の選択肢が英語から日本語に変わります。選択肢としては、個人事業主、法人、非営利組織、が選べるのですが、私は団体に所属してはいないので、個人事業主を選んでおきました。
次に、個人情報の確認、というページに移ります。ここでは、氏名と生年月日を入力します。
さらに進むと、入金用口座の選択、という画面に移ります。ここで、銀行口座の名義人、銀行、銀行の支店、口座番号を入力します。名義人の入力の欄には、ローマ字、と書かれているのですが、前の入力の内容からカタカナの名前が既に表示されています。普通、日本での銀行間の送金では、名義人はカタカナなので、私はそのままの内容で保存ボタンを押しました。
最後に、詳細を確認してください、という画面が出るので、同意して送信するボタンを押したところ、An unknown error has occured という表示が出ました。やはり、ちょっと怒られたのかもしれません。
しかし、Stripe から、Buy Me a Coffee での支払いを受けていただく準備ができました、というメールが来たことと、もう一度 Setup Bank Deposit の手続きに進んでみたところ、設定した口座情報と確定ボタンが表示されたことから、口座の設定には成功したようです。
恐らくここでは、Stripe は送金を仲介しているだけで、Stripe の本格的なアカウントを作ってはいないのだと思います。本人確認の手続きも比較的厳しくないし、私のような少額の支援金の受け取りには、この方法がやりやすそうです。
これまでに分かったことですが、支援金の受け取りについても PayPal は使えないようです。また、Buy Me a Coffee の FAQ の記事の中には Wise を使った送金ができるように読めるものがあったのですが、そのような気配も見られません。
支援金の送金については、分かったことを下の記事にまとめておきました。
おわりに
Buy Me a Coffee では、投げ銭による支援だけではなく、メンバーシップというサブスク制の支援の設定もできます。多くの作品を手掛けるような方は検討してみるとよいのではないでしょうか。アカウントをつくれば、ダッシュボードから簡単に設定ができるようです。