マインクラフト(マイクラ)では、シェーダー(影MOD)を導入することで、太陽の光や水面の反射を感じられる美しい景色の中でゲームをプレイできるようになります。
この記事では、マイクラの初心者で、あまりパソコンにも詳しくない人に向けて、シェーダーの導入方法を解説します。
この記事の内容は、Windows にインストールしたマイクラ Java版のものです。また、マイクラの起動には標準の Minecraft Launcher を使うことを想定しています。
この記事でやること
この記事では、DrDestens MCShaders というシェーダーをマイクラ Java版に導入します。このシェーダーは非常に動作が軽く、ノートパソコンでも使うことができます。
ただ、その反面、影が表示されないなど、他のシェーダーに比べて表現が弱いものとなっています。少し物足りなく感じるかもしれませんが、このシェーダーが導入できれば、他のシェーダーも同じ方法で導入できるようになります。
そのため、まずは、この記事の通りに DrDestens を導入してみてください。
また、マイクラのシェーダーに関するちょっとした知識を、記事の最後におまけとして書いてあります。
ファイルのダウンロード
マイクラでシェーダーを使うには、Iris という MOD を導入しなければなりません。まず、下のリンク
から、Iris のダウンロードサイトに行きます。DOWNLOAD UNIVERSAL JAR と書かれたボタンを押すとファイルがダウンロードされます。
これは実行可能なファイルなので、ダウンロードの際、警告が表示されることがあります。心配であれば、個別にウイルススキャンをしておきましょう。
次に、下のリンク
から DrDestens MCShaders のウェブサイトに行きます。
スクロールしていくと、右側に Main File という項目があり、対応しているマイクラのバージョンが書かれています。プレイしたいマイクラのバージョンがよほど古いものでない限り、書かれているものより前のバージョンのマイクラでも動作する場合が多いです。詳しく確認したい場合は、クリックすると対応している全てのバージョンのリストを見ることができます。
マイクラのバージョンを確認したら、サイト上部の Dowload ボタンを押して、ファイルをダウンロードします。
マイクラのアップデートの直後では、Main File がマイクラの最新バージョンに対応していないことがあります。経験者であれば、開発途中のベータ版を使うこともできますが、初心者は開発が終わるのを待った方がよいでしょう。
Iris の導入
Windows の エクスプローラー から ダウンロード フォルダーを開くと、Iris-Installer-xxx.jar というファイルがあります。これをダブルクリックして Iris のインストーラーを起動します。
エクスプローラーの設定によっては、ファイル名が Iris-Installer-xxx となっていて、末尾の .jar が表示されないことがあります。これは、他の種類のファイル( .zip や .exe など)についても同じで、ファイル名の末尾の .xxx は表示されないことがあります。
マイクラに MOD を初めて導入する場合、インストーラーが起動しないことがあります。その場合は、下にある JRE のインストール の項目を見てください。
インストーラーを起動すると、下のようなウィンドウが表示されます。
一番上の Select game version で、プレイしたいマイクラのバージョンを選びます。その下の項目は、Installation type が Iris Only、Installation directory が .minecraft となっているはずです。普通はこのままで問題はないので、Install ボタンを押して Iris をインストールします。
エラーが出る場合は、マイクラが .minecraft フォルダー以外の場所にインストールされていることが考えられます。マイクラのある場所を調べて、Installation directory のところで指定してください。恐らく、パソコンに詳しい人がマイクラをインストールしたと思われるので、その人に訊くのがよいでしょう。
また、プレイしたいバージョンのマイクラを過去に1回も起動したことがない場合もエラーになることがあります。フォルダーが正しい場合は、バニラでマイクラを起動した後で Iris のインストールを試してみてください。
JRE のインストール
Iris のインストーラーを起動するには Java ランタイム(JRE)というものが必要です。Iris のインストーラーが起動した場合は、この項目は飛ばして次に進んでください。
JRE をインストールするには、まず、下のリンク
から、JRE のダウンロードサイトに行きます。Download Java と書かれたボタンを押すとインストーラーのファイルがダウンロードされます。
エクスプローラーでダウンロードフォルダーを開くと jre-xxx-windows-x64.exe という名前でインストーラーが保存されているので、これを起動して、開いたウィンドウにあるインストールボタンを押します。
JRE のインストールができたら、上に戻って Iris をインストールしてください。
DrDestens MCShaders の導入
DrDestens を導入するために、まず、Minecraft Launcher を起動します。Iris を導入した直後であれば、プレイボタンの左側に、虹のようなアイコンがついた Iris & Sodium for xxx という項目が表示されているはずです。表示されていない場合は、その部分をクリックするとリストが表示されるので、そこから選んでください。
このリストにある項目を 起動構成 といいます。
Iris & Sodium for xxx の起動構成を選んでプレイボタンを押し、マイクラを起動します。画面の左下に(Mod導入済み)と表示されていれば、Iris は正常に導入されています。
起動画面から、設定 → ビデオ設定 のボタンを押します。
ここでマイクラが全画面表示になっている場合は、フルスクリーン のチェックを外して Apply ボタンを押し、ウィンドウ表示にします。さらに シェーダーパック を押して、シェーダーの設定画面に行きます。
シェーダーの設定画面が表示されたら、もう一度、エクスプローラー で ダウンロード フォルダーを開きます。そして、ダウンロードフォルダーにある DrDestens MinecraftShaders xxx.zip というファイルをマウスでつかんでドラッグし、シェーダーの設定画面にドロップします。
すると、シェーダーの設定画面に DrDestens MinecraftShaders xxx.zip という項目が表示されます。この状態では、まだシェーダーが有効になっていないので、シェーダー: OFF となっている部分を ON にします。
画面の 適応 ボタンを押せば、シェーダーが導入されます。完了 ボタンを順に押して、シェーダーの設定画面 → ビデオ設定画面 → 設定画面 → 起動画面、と画面を起動画面に戻します。マイクラのワールドに入って、シェーダーが動くことを確認してください。
DrDestens とは別のシェーダーを使いたい場合も、導入の方法は同じです。シェーダーのファイルをダウンロードし、それをシェーダーの設定画面にドラッグ&ドロップして適応ボタンを押すだけです。
もし、パソコンの性能には自信がある、というのであれば、例えば BSL Shaders
を自分で導入してみてください。このシェーダーは、マイクラの実況配信などでも、よく使われているようです。
他のシェーダーにも興味があれば、次の記事を参考にしてください。
おまけ
この記事を読んでいるのは、マイクラの標準の画面に飽き足らず、より美しい世界を見たい、と思っている人でしょう。そのような人は将来、さらに、別の MOD やリソースパックを使いたい、と思うかもしれません。
そこで、マイクラのシェーダーの背景を説明しておきます。
今回、シェーダーを動かすために Iris という MOD を導入しました。しかし、マイクラの歴史からいうと、OptiFine という MOD を導入するのが伝統的な方法となっています。
MOD は英語の modification の略で、変更や改造といった意味があります。マイクラに限らず一般的に、ゲームなどの動作を変えるものを MOD と呼びます。
マイクラにシェーダーを導入すると、画面の描画が変わります。つまり、シェーダーは MOD の一種です。日本では、シェーダーを、影MOD、と呼んだりします。MOD にも色々な種類があるので、特に画面の描画を変えるものを、画面内の世界に陰影(shade)をつけるもの、という意味で、シェーダー(shader)と呼んでいます。
マイクラのコミュニティーでは、いろいろな人がシェーダーを作っています。マイクラはパソコンで動かすことができるコンピュータープログラムなのですが、シェーダーを作るためには、その一部を改造し、機能を追加しなければなりません。ところが、シェーダーを作るのに必要なマイクラの改造には、いくつものシェーダーで共通の部分があります。
そこで、この共通した部分の改造をひとつの MOD で行い、残りの個性のある部分を、シェーダーを作るそれぞれの人が担当する、ということが考えられました。
こうして登場したのが Iris や OptiFine です。
歴史的に先に登場したのは OptiFine です。OptiFine が登場したことにより、現在、ほとんどのシェーダーは OptiFine と共に動作するようになっています。つまり、OptiFine はマイクラのシェーダーにとって、事実上の標準を定めているのです。
ところが、これだけ重要な MOD であるにもかかわらず、OptiFine の開発は少人数で行われているようです。そのため、マイクラがアップデートしても、新バージョン向けの OptiFine がなかなか出ない、ということが度々あります。
そのような状況に不満を持つ人たちが開発したのが、この記事で導入した Iris です。
Iris は、誰もが開発に参加できるオープンソースという体制で開発されているため、短時間でアップデートができます。また、プログラムの設計を一から新しいものにし、シェーダーを動かす機能に特化しているため、OptiFine よりも速くシェーダーを動かすことができます。
OptiFine | Iris | |
歴史 | 長い | 新しい |
開発体制 | 少人数 | オープン |
機能 | 多機能 | シンプル |
実行速度 | やや重い | 速い |
このようにいうと、もう OptiFine は必要ないんじゃないか、と思うかもしれません。マイクラでシェーダーだけを使う場合には、その通りでしょう。しかし、少なからぬマイクラのプレイヤーにとっては、まだ、そういう状況にはなっていません。
OptiFine には、シェーダーを動かす機能以外にも、マイクラで使われているテクスチャーの表現の幅を広げる、といった機能があります。
また、シェーダーとシェーダー以外の MOD を同時に使う場合は、OptiFine や Iris との相性が合わなければいけません。OptiFine は Iris よりも歴史が長いので、OptiFine としか相性が合わない MOD が数多くあります。
これらの理由のため、マイクラでいろいろな遊び方をしたい、と思う人にとって OptiFine は不可欠なのです。
何よりも、Iris の開発が可能になったのは、OptiFine がシェーダーの標準を定めたからだ、ということは、覚えておいたほうがよいでしょう。