マインクラフト(マイクラ)Java版では、MOD と呼ばれるものを導入することで、ゲームのルールを変更したり、画面に表示する情報を増やしたりすることができます。
この記事では、画面にミニマップを表示する MOD を例として、マイクラ Java版に MOD を導入する方法を解説します。この記事の内容を知ることで、ミニマップ以外にも、いろいろな MOD を導入することができるようになります。
もし、特にシェーダー(影MOD)の導入方法について知りたい場合は、下の初心者向けの記事を見てください。
この記事の内容は、Windows にインストールしたマイクラ Java版のものです。また、マイクラの起動には標準の Minecraft Launcher を使うことを想定しています。
この記事でやること
この記事では、マイクラ Java版に Xaero’s Minimap という MOD を導入して、ゲーム画面にミニマップを表示させる方法を解説します。
実は、マイクラ Java版の MOD については、ちょっと複雑な状況があります。この記事を読んでいるのは、マイクラを自分好みにカスタマイズしてプレイしたい、と思っている人でしょう。そのような人にとって、知っておいて損ではない、MOD を巡る状況について、次の項目で説明しておきます。
さらに、その次の項目で、マイクラ Java版がインストールされているフォルダーについて解説します。この知識は、MOD やシェーダー、リソースパックを導入するときにも役に立ちます。
MOD を巡る状況
マイクラ Java版の MOD には、大きく分けると Forge派 と Fabric派 のふたつのグループがあります。
MOD というのは、英語の modification の略で、変更や改造といった意味があります。マイクラに限らず一般的に、ゲームなどの動作を変えるものを MOD と呼びます。
マイクラはパソコンで動かすことができるコンピュータープログラムなのですが、MOD を作るためには、その一部を改造し、機能を追加したり変更したりしなければなりません。ところが、MOD を作るのに必要なマイクラの改造には、いくつもの MOD で共通の部分があります。
そこで、この共通した部分の改造をひとつの MOD で行い、残りの個性のある部分を、MOD を作るそれぞれの人が担当する、ということが考えられました。この共通した改造を担う MOD のことを 前提MOD と呼びます。そして、マイクラ Java版の前提MOD には、主に、Forge と Fabric のふたつがあるのです。
マイクラに MOD を導入する場合は、まず、どちらかの前提MOD を導入し、そのうえで、目的の MOD を導入する必要があります。
ここで問題となるのは、Forge と Fabric の間では互換性がないことです。つまり、Forge を前提とする MOD は、Fabric で動かすことができません。逆に、Fabric を前提とする MOD は Forge で動かすことができません。
シェーダー(影MOD)とその他の MOD を一緒に使いたい場合は、事情がさらに複雑になります。
シェーダーにも一般の MOD と同じように、OptiFine という前提MOD のようなものがあります。ところが、この OptiFine の開発は少人数で進められているようで、非常に更新が遅いのです。マイクラは年に1回くらいの割合で大きなアップデートがありますが、OptiFine が対応するまでには1か月以上かかる場合もあります。
このような状況に不満を持った人たちは、別の MOD である Iris を開発するようになりました。Iris の更新は速く、マイクラがアップデートされたその日には、対応したバージョンが公開されていたりします。
OptiFine はどちらかというと Forge と相性が良く、Iris は Fabric と共にしか使えないために、シェーダーとその他の MOD を一緒に使う場合は、前提MOD をどのように選ぶかを考えなければなりません。
OptiFine に問題があるのであれば、Iris を使い Fabric を選べばよいではないか、と思うかもしれませんが、なかなかそうもいきません。Iris はシェーダーを動かす機能に特化しているのですが、OptiFine には、シェーダーを動かす機能以外にも、リソースパックの表現を拡張する機能などがあり、簡単には置き換えられないことがあります。
また、Forge は Fabric よりも歴史が長く、面白い MOD が多く公開されています。このため、使ってみたい、と思った MOD が Forge にしか対応していない場合もよくあります。
そこで、この記事では、Forge と Fabric の導入のしかたを両方とも解説します。どちらを最初に導入するかは、自由に決めてください。
フォルダー構造
マイクラ Java版は、特に何も指定しなければ、デフォルトでは
C:\Users \〈ユーザー名〉\AppData \Roaming \.minecraft
にインストールされます。〈ユーザー名〉は個人でパソコンを使っている場合、自分の名前やニックネームを使っていると思います。
MOD やシェーダー、リソースパックを導入するときは、この .minecraft フォルダーを開く必要があります。ある程度パソコンを使える人であれば問題はないと思いますが、一応、やり方を解説しておきます。
まず、Windows の エクスプローラー を起動します。左側の欄に PC など パソコンに付けた名前 が表示されるので、そこを開くと、Windows(C:) などと ドライブの名前 が表示されます。ドライブの名前が何であれ、デフォルトでは、C: の識別子が付いているドライブにマイクラはインストールされています。
この Cドライブ からフォルダーを次の順で辿っていきます。
C: → Users(または ユーザー)→〈ユーザー名〉→ AppData → Roaming → .minecraft
フォルダーを辿る途中で、AppData が見えない場合があると思います。これは AppData が隠しフォルダーになっているためで、エクスプローラーのウィンドウの上部にある 表示 を開き、さらに 表示 を開いて 隠しファイル にチェックを入れると見えるようになります。
この .minecraft フォルダーのショートカットを作り、デスクトップなどに置いておくと、プレイ中に撮ったスクリーンショットを見たりするときなどに便利です。 .minecraft フォルダーを右クリックし、その他のオプションを確認 → ショートカットの作成 で作ることができます。
.minecraft フォルダーの中にあるフォルダーで、知っておくと役に立ちそうなものを紹介しておきます。これまでどのようにマイクラをプレイしてきたかによって、下に挙げたフォルダーのうちのいくつかがない場合もあります。
backups:作成したセーブデータのバックアップが Zip 形式で保存されています。
mods:導入したい MOD を置くフォルダー。今回導入する MOD のファイルもここに置きます。後でこのフォルダーを開くことになるので、覚えておいてください。
resourcepacks:リソースパックを置くフォルダー。ここに置いたリソースパックは、リソースパックの設定画面から選べるようになります。
saves:マイクラのセーブデータが保存されています。
screenshots:プレイ中に撮影したスクリーンショットが保存されます。デフォルトではプレイ中に F2 キー を押すことでスクリーンショットを撮ることができます。
shaderpacks:シェーダーのファイルを置くフォルダー。ここにファイルを置いたシェーダーは、シェーダーの設定画面から選べるようになります。
上の説明にもある通り、今回導入する Xaero’s Minimap も、ファイルを mods フォルダー内に置き、前提MOD を導入したマイクラを起動することで読み込ませることができます。
Forge や Fabric のような前提MOD は、ファイルを mods フォルダー内に置いただけでは導入されないので注意してください。前提MOD の導入には別途インストールが必要になります。
MOD のダウンロード
ここで、前提MOD を導入する前に、今回導入する Xaero’s Minimap をダウンロードしておきます。まず、下のリンクから、Xaero’s Minimap のダウンロードサイトに行きます。
ダウンロードサイトは下の画像のようになっています。
サイトの右側に Game Versions という項目や、Mod Loaders という項目があります。プレイしたいマイクラのバージョンが決まっている場合は、Game Versions のリストにあるバージョンから対応しているものを選びます。使いたい前提MOD が決まっている場合は、Mod Loaders のリストから、Forge か Fabric のどちらかを選びます。
選んだ先の画面では、さらに下のようなリストが表示されます。
このリストの一番上に、Game Ver. という項目と、Mod Loaders という項目があります。このふたつの項目を見て、適切なバージョンの MOD を選びます。
このリストの左側にある緑と紫のアイコンは、R がリリース版、B がベータ版を表しています。ベータ版とは、MOD などの開発がまだ完了していない段階で、バグなどをユーザーに報告してもらう目的で公開するものです。このため、動作が不安定になることがあります。
適切なバージョンの MOD を選びクリックすると、下のような画面になりますので、Download ボタンを押してファイルをダウンロードします。ボタンを押してからダウンロードが始まるまでには、数秒の待ち時間があります。
Download ボタンの右側にある、オレンジ色の目立つ Install ボタンは専用のアプリを使って MOD を導入するときに使うものです。また、画面の上に表示される Download ボタンを押すと、Main File の項目に表示された、選んだものとは別のバージョンの MOD がダウンロードされることがあるので注意が必要です。
この MOD のファイルは実行可能なものなので、ダウンロードの際に警告が表示されることがあります。心配であれば個別にウイルススキャンをしておきましょう。
ダウンロードが終わったら、エクスプローラーでダウンロードしたファイルが ダウンロード フォルダーにあることを確認してください。
この後、前提MOD の導入に移ります。Forge を選んだ人は Forge の導入、Fabric を選んだ人は Fabric の導入 の項目に進んでください。
Forge の導入
Forge を導入するには、まず、下のリンクから、Forge のウェブサイトに行きます。
サイトの画面は下のようになっています。
画面の左側に Minecraft Version というリストがあるので、ここでプレイしたいマイクラのバージョンを選びます。すると、右側に Download Latest(最新版)と Download Recommended(推奨版)という項目が現れます。
特に理由がなければ推奨版を使えばよいのですが、何か問題が起きた場合などには、最新版を試してみるとよいでしょう。Forge の開発が遅れている場合には、推奨版が公開されていないこともあります。
また、オレンジ色の Show all Versions というボタンを押すと、推奨版と最新版以外のバージョンの Forge が表示されます。MOD によっては特定のバージョンの Forge を要求するものがあるので、その場合はここから探します。
使う Forge のバージョンを決めたら、Installer という部分を押します。すると別のページに移り、5秒ほど待つと右上に SKIP というボタンが現れます。これを押すと Forge のインストーラーがダウンロードされます。
エクスプローラーでダウンロードフォルダーを開くと、forge-xxx-xxx-installer.jar といった名前のファイルがあります。これが Forge のインストーラーなので起動します。もし、インストーラーが起動しない場合は、JRE のインストール の項目を見てください。
インストーラーを起動すると上のような画面が現れます。Install client にチェックが入っていることと、マイクラをインストールしたフォルダーが選ばれていることを確認して OK を押すとインストールが始まります。インストールには少し時間がかかりますが、しばらくすると、インストールに成功した、という表示が出るはずです。
インストールに失敗した場合は、マイクラをインストールしたフォルダーが正しいかどうかを確認してみてください。
Forge をインストールしたら、.minecraft フォルダーにある mods フォルダーの中を空にした状態で Minecraft Launcher を起動します。すると、金床のようなアイコンの forge という起動構成ができているので、これでマイクラを起動します。
起動の際に警告メッセージが出ますが、これは MOD を導入した起動構成ではいつも表示されるものです。これで、問題なくマイクラが起動できれば Forge の導入は成功です。続いて、ミニマップの導入 の項目に進んでください。
JRE のインストール
Forge のインストーラーを起動するには Java ランタイム(JRE)というものが必要です。Forge のインストーラーが起動した場合は、この項目は飛ばして ミニマップの導入 の項目に進んでください。
JRE をインストールするには、まず、下のリンク
から、JRE のダウンロードサイトに行きます。Download Java と書かれたボタンを押すとインストーラーのファイルがダウンロードされます。
エクスプローラーでダウンロードフォルダーを開くと jre-xxx-windows-x64.exe という名前でインストーラーが保存されているので、これを起動して、開いたウィンドウにあるインストールボタンを押します。
JRE のインストールができたら、上に戻って Forge をインストールしてください。
Fabric の導入
Fabric を導入するには、まず、下のリンクから Fabric のウェブサイトに行きます。
サイトの真中に、目立つ青色の Download というボタンがあるのでこれを押すと、さらに別のページに移動します。ここでも目立つ青色の Download for Windows というボタンがあるので、これを押すと Fabric のインストーラーがダウンロードされます。
エクスプローラーでダウンロードフォルダーを開くと、fabric-installer-xxx.exe といった名前のファイルがダウンロードされています。これを起動すると、下のようなウィンドウが開きます。
プレイしたいマイクラのバージョンを選び、インストール先が正しいことと、起動構成を作成 にチェックが入っていることを確認してください。インストール ボタンを押すとインストールが始まります。ローダーバージョンについては、普通は気にする必要はありません。ただし、古いバージョンのマイクラに MOD を導入する場合は、バージョンを揃えなければならない場合があります。
インストール完了のメッセージでも指摘されるのですが、Fabric を前提とする MOD は多くの場合、Fabric API という MOD を必要とします。今回導入する Xaero’s Minimap にも Fabric API は必要です。
Fabric API は次のリンク先からダウンロードします。
Fabric API のウェブサイトは Xaero’s Minimap のサイトと同じ構成になっています。右側に Game Versions というリストがあるので、プレイしたいマイクラのバージョンを選び、進んだ先の画面で、適切なバージョンの Fabric API を選びます。特に理由がなければ、最も新しいものを選べばよいでしょう。
Xaero’s Minimap の場合と同じように Download ボタンを押すと、ダウンロードフォルダーに fabric-api-xxx-xxx.jar といった名前のファイルがダウンロードされます。これが Fabric API のファイルです。
ここで一旦、.minecraft フォルダーにある mods フォルダーの中を空にした状態で Minecraft Launcher を起動します。すると、布の巻物のようなアイコンの fabric-loader-xxx という起動構成ができているので、これでマイクラを起動します。
起動の際に警告メッセージが出ますが、これは MOD を導入した起動構成ではいつも表示されるものです。これで問題なくマイクラが起動できれば Fabric の導入は成功です。
次に、mods フォルダーに Fabric API のファイルを入れてもう一度マイクラを起動します。これで問題がなければ、Fabric を前提とする MOD を導入する準備は完了です。
ミニマップの導入
ここまでくれば、Xaero’s Minimap の導入は簡単です。
先に上でダウンロードしておいた Xaero’s Minimap のファイルを、.minecraft フォルダーの中にある mods フォルダー に入れ、マイクラを Forge、または、Fabric の起動構成で起動するだけです。起動したら、適当なワールドに入ってミニマップが表示されることを確認してください。
うまく起動しない場合は、ダウンロードした MOD がプレイしたいマイクラのバージョンに合っているかどうかを確認してみてください。
今回、まず、Forge や Fabric を導入した段階でマイクラを起動し、次に、ミニマップの MOD を導入して、もう一度マイクラを起動する、という手順をとりました。これは何か問題が起きたときに、Forge や Fabric に問題があるのか、それとも、ミニマップに問題があるのかをはっきりさせるためです。慣れるまでは、このように慎重に進めたほうがよいでしょう。
Xaero’s Minimap では、デフォルトで Y キー を押すことで、ミニマップの設定ができます。また、設定 → 操作設定 → キー割り当て で、いろいろな機能をキーに割り当てることができます。自分であれこれと試して遊んでみてください。